イチゴ

■イチゴ


               しずない産イチゴの紹介
                                                      
   

当町の概要
新ひだか町静内は北海道の中でも比較的、温暖な気候の日高管内に位置し、夏は涼しく、冬は降雪量も少なく日照も長く農作物には最適な環境にあり、水稲をはじめミニトマト、トマト、胡瓜、ほうれん草、メロン、イチゴなど数多くの青果物を出荷生産しております。又、競走馬の主力産地として多くのサラブレットを輩出しつつ、町の景観では「桜並木」の二十間道路が観光名所として有名であり四季折々の姿を堪能することができます。 


苺産地としのて履歴 
 その中で、当町イチゴ生産については、今を遡ること20年前より手がけており、現在に至るまで数多くの品種に取り組んできました。従来、春から初夏にかけての生産出荷が主流であったものを徐々に、夏秋イチゴ・加温促成栽培等に取り組み、試行錯誤の結果、ほぼ通年で出荷できる栽培体制を築きました。 夏秋イチゴでは病害虫或いは夏場の高温との戦い、加温促成栽培ではボイラーにより栽培温度を確保し、又、日照の短さを電照により補う等して生産に励んでいます。 



新品種『さがほのか』への取組
上記にあげたように現在の主力栽培は、以前の春イチゴ栽培(春から初夏)から長期とりである加温促成栽培に移行しており、当初の栽培品種は市場ニーズの強かった「豊の香」「栃乙女」「幸の香」の3種類でありました。
 しかし、どの品種でも簡単に作れるものではなく、栽培の難しさ・産地適合等を踏まえると初年度で「豊の香」が消えました。その後、「幸の香」と「栃乙女」の二本柱できましたが、「栃乙女」は厳冬時、根もと(ヘタまわり)まで色がつかず、果肉も堅いという問題にぶつかってしまいました。そんな折りかねてより評判であった「さがほのか」(注1)が他産地でも栽培出荷できる事になり導入したのです。
 「さがほのか」は当初栽培していた「栃乙女」と、果実が大きく色鮮やかで果汁も豊富な「大錦」との互いの良い面が引き出された交配品種であります。
 又、生育が早く、多収量であり果肉はシッカリとし、酸味が少なく果汁を豊富に含んだ率直に甘いイチゴであり、名前のとおりほのかに香る香りが何ともいえず、老若男女を問わず人気のある品種です。
 しかし、栽培面では病気に敏感で、通常の芽かきの作業一つとっても細心の注意を払わなければならないほど繊細なイチゴなのです。
注1)「さがほのか」誕生当初は、佐賀県のみでしか生産してはならないという門外不出の品種でもありました。
  
苺が出来るまで 
まず、ビニールハウス内の土作りから始まります。普及センターによる土壌診断に基づいた施肥設計がされます。
 その後、イチゴの苗を定植し、温度・湿度管理・水管理・防除にと細心の注意をはらいながらつきっきりで育てます。
 その間約2ヶ月!しかも、ハウスごとに条件が違うので管理も更に難しいのです!
 例)1・水持ち  2・日照条件  3・土壌条件
  
      
 イチゴはイチゴの花に花粉が受粉して実になるので、自然受粉はもとよりミツバチをハウス内に放し、受粉率を上げる工夫もしています。 
 定植した苗が育ち、何本もの花芽があがってくると、ここで生産者は最初の決断に迫られます。
 イチゴは、花が付いたら付いただけ育てる放任主義にすると栄養分が分散され小さなイチゴしか育ちません。そこで生育の悪い物や、形の悪い物は早めに間引きし、形と生育の良いエリートだけを残して栄養分を十分に確保するのです。
 生産者からすれば、手塩にかけたかわいいイチゴたち…間引きをするたび心が痛みます。でもやっぱり、消費者においしいイチゴを提供したいですから。
 
 定植して約2ヶ月でいよいよ成熟した一人前のイチゴができ、収穫に移ります。
 しかし、ここでも第二の決断に迫られるのです。
手間暇かけた我が子は皆かわいく、全て平等に扱いたい気持ちは山々ですが、ここで「等級分け」が行われ、市場に出荷されます。
 
 しずないのイチゴ農家は4戸。
けんたろう・さがほのか・幸の香・夏娘の4種類。違う種類を通年出荷しています。
 暗くなってくると、真っ白い冬景色のなかにハウスの灯りがともって幻想的な景色に。
 
 イチゴは本来、春から夏にかけての果物です。
日照時間の短くなる晩秋から冬にかけてイチゴは休眠してしまいます。
 そこで当産地では特別寒さが厳しい為ボイラーを付け、適温を保って日中は25度、日没後は約3時間電灯の明かりで日が長くなっているかのように錯覚させ、赤い実をつけさせるのです。
その後、市場のセリで取引され静内や札幌などのスーパーの店頭に並び、いよいよ皆さんとの対面をはたすことになります♪